世界観 平安ごろの日本をベースに展開。 幽霊・妖怪などが信じられ、また実際に存在している世界。 もっとも数が多いのは人間。ヒエラルキー的にもっとも弱いのも基本的に人間。 人間以外のモノは総称して「アヤカシ」と呼ばれている。 アヤカシの類に対抗できる、霊力の高い人間も存在する。 彼らは「陰陽師」や「山伏」などと呼ばれ、一般人を悪意のあるアヤカシや障気から護っている。 用語 人間:説明するまでもない。朝廷が政治の最高の場。都の人間ほどアヤカシを恐れ、憎む傾向にある。 妖力:世界全体に微量に漂う力。妖力を引きつけやすい体質や場所等が存在する。人間の感性で言えば「なんか神秘的」な場所に集積しやすい。 霊力:妖力を人間が直接使えるように体内や道具で精製し直したもの。RPGで言うMPや魔法攻撃力を指す。修行や呪具などで上限が上がる。 陰陽師:主に呪具を媒介に自分自身の霊力を使い、アヤカシと戦える職業。基本は魔法使いタイプ。 山伏:主に霊力の宿った呪具を武器に、己の肉体でアヤカシと戦う職業。基本は戦士タイプ。 幽霊:死んだ人間の霊魂が現世に留まったもの。恨みの力が強く、他に害を与えるようになったものは「怨霊」や「悪霊」と呼ばれる。 妖怪:人間以外の動物の霊魂、長年使われた道具などに妖力が溜まり異形の姿となったもの。人間に恨みがあるものは仕返しに害を与えにいく。 障気:あらゆるモノから発せられる負の意識で穢れた妖気。怨霊や悪霊を引きつけやすく、障気が溜まった場所は少しずつ生命力を奪われて衰退していく。 夜叉:人間と似た姿をしている。様々な形の角を持ち、自然界の中で妖力が溜まった場所からポロっとうまれる。     うまれた場所によってそれぞれ属性を持ち、属性に由来する自然の力を操る。うまれた場所を何より大事にしており、そこを汚さない限り他者に敵意を向けることはほとんどない。     寿命は人間よりはるかに長いが、陰陽師や山伏に狩られて消滅する場合も少なくない。生まれつき力の弱いものは怨霊に負けて食われちゃったりもする。     田舎の方では普通に人間とコミュニケーションを取るものもおり、人間と慣れ親しむどころか子守をはじめとした手伝いまでする好奇心旺盛なものもいる。     宴をこよなく愛し、満月の夜には特定の場所へ集まって宴を開く。多くの妖怪や幽霊も参列し、鬼火を散らしながら会場まで移動するその様子は「百鬼夜行」と呼ばれる。     妖力を蓄える場所として、角・髪・目を特に大事にしている。髪が長い=妖力のキャパが大きい。 夜叉王:全ての夜叉の生死と力の強さを常に掌握する能力を代々受け継ぐ。      朝廷との和平条約のため、新たな夜叉がうまれるとその力の強さに応じて拘束具や呪印を施す役割を持つ。      名目上「王」とついているものの、他の夜叉から特別に崇拝されているとかそういう事はない。      夜叉王が死ぬと、その体に宿っていた妖力が移動し、生存している夜叉の中からランダムで新たな王が決まる。      その際、元々その夜叉が持っていた能力はすべてリセットされ、夜叉王としての能力のみを持つようになる。 呪具:退魔の力があるとされる道具に霊力を込めたもの。銀、鈴、鏡、呪符、注連縄等が該当する。 和平条約:力を持つ夜叉族と人間が対等に共存していくために、夜叉王と朝廷の間で長い間守られている契約。      すべての夜叉それぞれに見合った方法で力を制御する代わりに、人間は危害を加えられない限り夜叉を狩ってはならないという内容。      夜叉は忠実に条約を守り続けているが、一部の人間はそれを無視して弱体化した夜叉を人知れず狩る。      自然が妖力によって変化したものである夜叉は事実上不滅であるが、そろそろ夜叉族がキレるのも時間の問題となっている。 夜叉狩り:夜叉の角・髪・目は加工を施せば妖力だけでなく霊力を蓄えることも可能である。      蓄えられる上限は人間が作り出す呪具をはるかに上回る。      市場に出回るようなものでもないため高値で取引され、これらを狙う人間は和平条約の存在を知りながらも夜叉を狩る。       キャラ 花夜叉・壱華 (はなやしゃ・いっか) 山奥にひっそりとそびえる、樹齢1500年を超える巨木の花からうまれた。イメージ的には屋久島とかもののけ姫の森。 元々が植物のためか、明るく穏やか&少しのんびりした性格。 若木の葉と同じ色の髪と目、ねじれた枝のような角を持つ。左の角には蔓植物が巻き付き、その先端には常に薄紫の花を咲かせている。 深緑から焦茶色へグラデーションのかかった尻尾は植物の根と似た役割を果たすことができ、尻尾で触れることで水や土の穢れも感知できる。 水や土の穢れは自分の妖力を消耗して祓うので、なかなか妖力が溜まらず髪が伸びない。その代わりに森は壱華がうまれて以来、障気に侵されたことがない。 住居が住居なのであまり人間との接触は少ないが、興味が無いというわけでもない。 迷い込んできた人間が居ると接触できてちょっと嬉しい。嬉しくなると角の先に薄紅色の花が咲く。ぽこぽこ咲く。 月に一度の宴で美味いものを食べるのが楽しみだが、基本的には綺麗な水と土と光があれば平気。 身体能力を制限する重たい首輪と、左頬から左肩にかけての呪印で力を制限されている。 凍夜叉・魅冷 (いてやしゃ・みれい) とある山の麓にある、天然の氷室からうまれた。壱華の住処と(夜叉の感覚的には)近い距離にあるため、互いによく行き来する。 ある理由(後述)で都の人間から恐れられる一方、魅冷の氷室で取れる氷は妖力の影響で溶けにくいため、人間は怖々取引をしに来る。 物静かで理知的。暑さにめっぽう弱いので、夏は氷室の奥に引きこもっている。 ほの青い氷に似た髪と目、磨き抜かれた結晶のように鋭く半透明な角を持つ。 髪は地面についても余るほどに長く、蓄えられる妖力の高さを物語る。尻尾は持たない。 うまれてすぐ、夜叉王が呪印を施す前に氷を求めてやってきた人間と出会い、目があった者と吐息がかかった者を凍り付かせてしまうという事件を起こした。 本人に悪意は無かったとは言え、朝廷の強い要望を叶える形で呪布による目隠しと喉の呪印を施された。 それ以来ものを見ることは出来ないが、今でいうサーモセンサー的な能力を持っている為不自由をしているわけでもない。 烙夜叉・燐 (らくやしゃ・りん) 近隣の村人が「地獄谷」と恐れて近寄らなかった火山の噴火口付近でうまれた。 楽しければそれでいいという楽観的な思考の持ち主。好奇心旺盛で村へ下りていっては子供と戯れる日々を送る。 うまれた場所が場所だったためか温泉をこよなく愛し、畑仕事を手伝っては村人と温泉に入るのが日課。 燃えるような紅蓮の髪はゆるくまとめて先端だけ三つ編みにし、硫黄色の目と水牛のように直角に曲がった金色の角を持つ。 人間にはまったく悪意を持たないが属性が火であることから朝廷に警戒され、服や髪留めの随所に清められた鈴をつけられている。 利き腕である左腕には重厚な銀製の腕輪と橙色の呪印、残りの手足にも霊力が込められた輪をつけて力を制御している。 宴に人間まで誘ってしまうほど人間との交流を好み、妖怪や悪霊から村を守ったりすることもあるので一部の地域では守護神として崇められている。 夜叉王・譜月 (やしゃおう・ふづき) 夜叉王となった夜叉は代々「譜月」の名を使う。代々蓄えられた妖力を押さえるため、夜叉の中で最も多く呪具や呪印を施している。 現・夜叉王は枯竹色の長く豊かな髪に月と同じ色の瞳、金属に似た光沢のある牛のような角を持つ。 頭には細く編んだ注連縄と銀の髪留め、右の角には呪符がこれでもかと貼り付けられ、左の角には深紅の呪印が彫られている。 首には壱華と似た重たい首輪に銀の鎖が繋がり、夜叉族が妖力の源とする部分全てに制限がかけられている。 魅冷が事件を起こした際、処刑を求める朝廷に対し、譜月は代償として自らの髪を一房切って差し出した。 これには他の夜叉が猛反対したが「髪はいずれ元に戻る。しかし同じ夜叉は二度とうまれぬ」と涼しい顔で受け流した。 月の綺麗な夜とよく冷やした酒を愛する。夏は避暑しに魅冷の氷室をよく訪れる。 鴉白丸 (あしろまる) 貧民街出身の人間。今の上司に霊力の高さを認められ、鍛え上げられた。結果、現在は名目上朝廷に直属する山伏。 が、放浪癖持ちのため都に居ることは滅多にない。 自分が山伏であるとおおっぴらにすることを嫌い、普段は芦芦(あしろ)という名で各地を転々としている。 彼自身は夜叉が悪いモノではないと区別しているが、貧民街を救う為、和平条約に違反するとは知りつつも夜叉狩りを行っている。 人なつっこい面を表に出してはいるが、夜叉を狩った後などふとした瞬間に冷たい表情を見せることも多い。 山伏として動く際には翼を広げたカラスを模した仮面をかぶり、一枚歯の高下駄を履く。